忘れられた島。 その「祝い」の中心には、若い男性。 「レックス先生、おかえりなさい」 お互い、聞きたいこと語りたいことはたくさんあって、宴は夜まで続いた。 「ときに先生」 「この島で暮らすとなれば、早晩家が必要になるじゃろう? なにか考えておるのか…と思うてな」 ちなみに、今日の所は鬼の館に宿を借りている。 「そんな。先生は戻ったばかりなのに…」 「もちろん、いつまでも我が館で暮らしてくれてかまわないのじゃぞえ。 「あら。風雷の郷よりも、ラトリクスの方が暮らしやすいわよ」 「冷暖房娯楽設備完備。清潔で合理的な毎日をお約束するわ」 「待て待て。ユクレスだって捨てたもんじゃねえぞ」 「そうですよぉ。 レックスの笑顔が、微妙に変化した。今の提案はけっこうツボをついたらしい。 「それならうちはクノンをつけるわ。三食メイドつき。これでどう?」 「そ…そんな! だめですよ!」 なにしろ、彼女の暮らす霊界集落といえば…。
日当たり不良。なま暖かい風通し抜群。 日中でも人の気配がなく、夜になったら遠雷とタケシーの遠吠えがひびく…。
…という、ホラーマニアでもなければ、謹んで遠慮したい環境なのだ。 「やはりミスミ様の館でしょう。私も下宿してますし、近くにゲンジ先生もいらっしゃる。 レックスは引きつり笑顔のまま、頷くのみである。 島の一同は先生そっちのけで盛り上がり、このままではくじ引きでも…と言い出すんじゃないかという状態になった。 その、とき。 「いい加減にしてください! レックス先生はおもちゃじゃありません!」 「そりゃ、うちの集落にはなにもないですけど…でも…。 「そうだね。霊界集落にはファリエルがいる」 レックスが宣言すると、それに反対する者は…誰もいなかった。
「意外とあっさりカタがついたのう」 そう。 どうやらそれも杞憂に終わりそうで。 「先生争奪戦」に破れたことに、本気でがっくり来ているマルルゥやクノンやスバルを連れて。
こうして。忘れられた島に、新しい住人がくわわったのであった。 おわり
い・い・わ・け 「男の小姑」が誰かはいうまでもなく(爆) サモンナイト公式HP掲示板に投稿した第一弾です。 なんかもう、書きたいように書いています。 両作の主役がレックスなのは、ファーストプレイが彼だったからです。 しかしエンドはファリエルではなかったという(^^;) 実は未だ見ていない。 噂は色々聞いているので、最後の楽しみにとってあるんです(笑) |